地震などの自然災害が非常に頻発する時代に

◇地球温暖化と地震の因果関係とは

日本は世界有数の地震大国です。歴史が残されている時代から、自然災害が頻発する地域でした。日本列島は世界的にも大変珍しい立地条件で存在しています。

四季がこれ程、くっきりしている地域は希少であり、諸外国もまた四季がありますが、春夏秋冬の気候変化は穏やかです。日本列島のように春夏秋冬の気温差や気候の変化が綺麗に区分されている国はほぼ無く、それが豊かな魚介類や農産物を生み出す源泉となります。

翻って特殊な立地条件の島国は、周辺海底や国土の地下深くに多くの活断層と火山が潜んでいる事もあり、かなり高頻度で地震が起きているのです。加えて台風や洪水や津波、ゲリラ豪雨など天災も様々です。

気候の変化が激しい事は自然の恵みを与える反面、それに由来する天災の数が増える事も意味します。近年では特に気候変化が激化しており、同じ水害や台風被害でも、その規模や発生する場所に違いが見られます。

地震と水害、更には土砂崩れや台風など複数の天災が同時期に同じ地域を襲う、複合的な自然災害もこの頃は珍しくありません。かつてであれば数十年に一度起きる位だった、甚大な自然災害もこの頃は毎年の様に発生しています。

ただマスコミ等ではいわゆる地球温暖化と地震の発生を直接結び付ける考察や意見がよく紹介されていますが、温暖化が火山活動や活断層の動きをダイレクトに誘発するメカニズムはありません。

まことしやかに語られている意見ではありますが、因果関係は科学的に限りなくゼロに近く、今現在では有益な仮説とも言えないのが実態です。

◇東日本大震災以降に画期的なシステム

単純にここ最近、日本列島の火山活動や活断層の動きが活発化している点については、自然の周期である言説が有力視されています。日本の歴史を紐解けば、ある一定のサイクルで地下の活動は活性化と沈静化を繰り返している事が読み解けます。

事前に予知をするシステムの開発も日進月歩で進められているのです。完全に揺れる前に、完璧に予知をする事は原理的に困難だと言われていますが、実際に揺れ始める僅かな前の段階であれば、現代の技術をもっていれば予測可能となりました。

既に各自治体や施設等で予知システムは実用化されています。特に東日本大震災の移行、スマートフォンやマンションやオフィス等で、巨大な揺れが訪れる前には特殊なサイレンが鳴る仕組みが実装されました。

完璧な予測は出来ないものの、本格的な振動が訪れる前にサイレンで、身を守る時間と精神的な余裕を確保出来る、これは非常に画期的なシステムです。一時期誤検知が多いと批判されましたが、日進月歩でその精度は高くなってきました。

更に誤検知を恐れて警報音を鳴らす事を躊躇うよりも、エラーはあるものだと割り切って、スピードを優先して国民に危険を知らす方が全体的な安全性は高まる、というのが専門家の判断であり、実際にはそれは有益な対策となります。

ここ数十年で地震に関する世間の人々の見方は変わりました。東京都内や大阪府などの都市部は天災に見舞われる事は少ない、という認識が改められました。

両方とも直下型の揺れには見舞われていないものの、阪神淡路大震災や東日本大震災で甚大な被害を受けています。普段は快適に過ごせる大都市圏ですが、いざ天災に見舞われるとその脆弱性が露見します。

◇天災の時のインフラ維持が重要

都市機能を維持している各インフラが自然災害によって突然ストップするのが大きなリスクです。水道や電気やガス、そして各種通信網はある意味でとても脆弱なシステムです。物理的に管やケーブルが揺れによって破損すれば、突然インフラが使えなくなります。

特に電気はすべてのインフラを支えるエネルギーであり、停電が起きればその悪影響が他の機能にも波及的に及ぶのです。実際に阪神淡路や東日本大震災でもその現象は顕著にみられました。病院や国の重要施設や大企業のビルなどは緊急時に備えて自家発電システムを設けていますが、一般的な家やビル等にはありません。

天災に遭遇した時、どういった方法で都市全体がインフラを維持するのか、それが現代社会に突き付けられた新しい課題です。既に同じ自然災害でもこれまで経験したそれとは規模が違ってきています。

一時期は災害に強いと期待された太陽光発電システムですが、台風や揺れによってソーラーパネルが破損しやすい欠点が露見しました。割れたパネルが二次被害を生み出す懸念もあり、破損した物が原因で漏電や事故のリスクが起きているのも事実です。

大規模な蓄電システムを街中に設けて、緊急時に備えるアイデアも良いでしょう。普段から電気の備蓄をしていれば、万が一甚大な被害に見舞われても、当面の電力は備蓄していたものから充てられます。

更に一つの発電方法に依存せず、複数のシステムをミックスして運用するのも大事です。兎に角現代社会では節約や合理化が、そういった都市開発の面でも重要視されているが、これ程まで地震が頻発する昨今、今一度原点回帰をして冗長性を持たせたシステム作りが求められます。