プロパンガスとは?都市ガスとの違いについても

プロパンガスはLPガス、LPGとも呼ばれる燃料の一種で、名前のようにプロパンを主な成分としています。
またプロパンは圧縮により常温でも液化するので、液化した状態で運搬や保管が行われるのが特徴です。

液化する理由

液化する理由はガス状態と比べて体積が小さく、その差は250分の1と無視できないものだからです。
つまり液化した方が効率良く運べるので、輸送コスト削減の意味でも、一般的にはガス状態では流通していないわけです。
勿論、使用する時にはガスに戻して燃焼するわけですが、ガス自体は無色でニオイもなく、漏れ出しても気がつきにくいという欠点があります。
その欠点を補う為に、意図的に人が不快に感じるニオイをつけています。
これを着臭といって、プロパンガスの場合は腐った玉ねぎを思わせるニオイがつけられます。
余談ですが、プロパンはガス状態の時に空気よりも重いので、ガスが漏れると床付近に溜まって広がる性質があります。
この為、ガス漏れ警報器は床付近に設置するのが基本です。
もし天井付近につけてしまうと、ガス漏れ警報器が正常に作動しない恐れがあるので注意が必要です。

プロパンガスが都市ガスよりも高い理由

プロパンガスの供給はボンベによる供給が一般的ですから、輸送コストや人件費が価格に上乗せされます。
これが都市ガスよりも高いといわれる原因の1つで、導管を使って供給が行われる都市ガスの方が安くなる理由です。
ただ、建物に直接供給が行われる形なので、自然災害が発生した時の被害が抑えられたり、復旧が早いといったメリットはあります。
火力が強いという強みも併せ持ちますから、火力が重要な飲食店にとっては、この点がガス選択のポイントになります。
一般家庭だとあまり火力の恩恵は受けられないですが、それでも早くお湯が沸いたり、調理が効率良くできるメリットは実感できるでしょう。
火力の良さ故に土木現場でも活躍していますし、バーナーの燃料として定番です。
いわゆるカセットコンロやガスライターのガスは、プロパンと同じ液化石油ガスのブタンが主成分です。
ブタンはスプレーの噴射剤にも用いられているので、割と身近で広く使われているガスだと分かります。

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プロパンはガス燃料としての用途が主

プロパンはガス燃料としての用途が主ですが、その理由はブタンよりもガスの勢いが強く、燃焼が早いことにあります。
それが火力の強さにも繋がっているので、プロパンが家庭などの調理器具や暖房器具のガス燃料として使われているのも頷けます。
プロパンガスと似たものに都市ガスがありますが、都市ガスの主成分は液化天然ガスに分類されます。
プロパンと違って空気よりも軽く、ガスが漏れると天井付近に溜まる点が異なります。
ガスの供給は導管で、地下に張り巡らされた導管から各家庭に供給されます。
当然ながら、供給網が整備されていない地域では利用できませんし、供給網があっても導管がない建物では使えないです。

ガス料金を抑えたいなら都市ガスが使える物件を選択する

賃貸物件を選ぶ際は、この点が生活や光熱費に影響しますから、ガス料金を抑えたいなら都市ガスが使える物件を選択することをおすすめします。
都市ガスは主に文字通り都市部で活用されており、プロパンガスと比べて地方では使えないところも多いです。
それと火力はあまり強くないので、強火で短時間の調理には向きませんし、お湯が沸くのにも時間が掛かります。
都市ガスの料金はようやく自由化されましたが、実はプロパンガスは昔から自由に価格を設定することができます。
言い換えれば、競争の激しい地域では価格が安く、消費者はガス会社を選んでガスを購入できるわけです。
地域内でも価格差が大きく広がるケースはありますし、その差が2倍に開くことも珍しくないです。

【コラム】【2021年版】プロパンガスの適正価格と料金診断のすすめ

消費者は自分でしっかりと確認してお得なガス会社を選ぶ

このように、プロパンはある意味で激しい競争にさらされていますから、消費者は自分でしっかりと確認して、お得なガス会社を選ぶ必要があります。
とはいえ、賃貸物件は管理会社や大家さんがガス会社を決めて契約するので、入居者が自由に選べるとは限らないです。
ガス料金に不満があるなら安いところに引っ越す他ないので、やはり入居前にしっかりと念入りに確認して、納得してから入居を決めることが大事です。
都市ガスは比較的競争の原理が働きにくい状況なので、ガス会社ごとの料金や価格差はそれほど大きくないです。
安さを追求するのが難しいともいえますが、元々安い傾向ですから、安くするのにも限界があります。
環境負荷のCO2の観点では、都市ガスの方に軍配が上がります。
しかし、災害発生時にガスの供給が止まったり、復旧までに数ヶ月要する可能性があるのも確かです。
比較的大きな地震でも過去に2週間くらいで復旧した事例はありますが、それでも2週間なので、その間に確保する熱源を考えておく必要がありそうです。

まとめ

お湯も沸かせない調理もできないでは生活が成り立ちませんし、カップラーメンすら食べられず入浴も夢のまた夢になってしまいます。
その点、プロパンは電気や水道の供給が止まっている状況でも、建物の供給設備に問題がなくボンベの供給にも支障がなければ、すぐに復旧するので安心です。