フィンテック(FinTech)は、金融を意味するファイナンス(Fainance)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語のことです。
テクノロジーは技術という意味ですが、実際には単なる技術ではなく情報技術であるIT(Information Technology)のことではなく内容としては、金融サービスと情報技術を結びつけたものになります。
フィンテックアワードという言葉は、アメリカで2000年代前半頃から使われていたものですが、日本で使われるようになったのはインターネット上の金融サービスが充実し始めた2010年代頃からになります。
特に劇的に状況を変えるようになったのはスマートフォンの登場で、これにより、出かける先でもさまざまなサービスをスマートフォンを通じて受けることが可能になり、金融サービスもそれらに対応したサービスが登場して現在では、現金を持ち歩かなくても決済をすることが可能になっています。
また従来のクレジットカードについてもインターネット回線を利用することによって、デビットカードによる即時決済サービスが登場しており、これもフィンテックがもたらしたサービスといえます。
このほかインターネット上で、金銭のやりとりが容易になることによって、クラウドファンディングといった新しいサービスも登場しています。
これまでお金を借りる相手としては金融機関や投資家からで、比較的まとまった金額となるものでした。
この理由としてはお金を貸す相手としては金利によって利益を得る必要がありますし、事務手続きにも費用がかかるためで、ある程度、まとまった金額でなければ意味がないためです。
しかし、クラウドファンディングでは、金銭の出資をインターネット上で求めるというもので、一般人も少額から出資することが可能となっています。
これらが出来るようになった理由としては手続きをすべてインターネットのサーバーで行うことができ、事務手続きに必要な費用を大幅に下げることができるということです。
また、本格的な出資もあれば、慈善事業的なものもや将来を期待して応援するといった意味で出資するといったものなどさまざまです。
これによってそれまで大口でしかお金を集めることができなかった事が、少額から集めることができるようになったほか、出資も小口のものが可能になっています。
仮想通貨についてもフィンテックのひとつとして扱われるものです。
仮想通貨は暗号通貨とも呼ばれるもので、インターネット上に存在するコンピューター同士でデータを共有する技術と、そのデータの正当性を確かめる技術によってなりなっています。
前者はP2Pと呼ばれるもので、それまで中央でサーバーによって管理されていたものが、そのネットワークにアクセスする複数のコンピューターがデータを共有するというものです。
これにより一つの巨大なサーバーで管理する必要がなくなり、複数のコンピューターの集合体となってデータを共有することが可能にするものになります。
一方でデータを共有するといっても、複数のコンピューターで管理しているためそのままでは改竄の可能性が残るもので、この問題を解決したのがブロックチェーン技術です。
ブロックチェーンは、台帳のように過去のデータをブロックとして保管しそれをチェーンのようにつないでいるもので、それぞれのコンピューターが持っているブロックチェーンを参照して、そこから過去の取引に間違いがないか確認することができます。
このブロックチェーンによって、正規の手続きを踏まない限りデータを変更することができませんし、過去の台帳を見て、それが正しいものであるか判断することができる仕組みとなっています。
仮想通貨は、この技術を使って金銭的価値を付与したものといえます。
そもそもビットコインのはじまりとしても、ひとつのサーバーに依存しないこととデータ改竄が出来ないことを使って送金の手段として登場したものです。
しかし、仮想通貨は単なる送金の手段ではなく改竄や偽造が出来ないため契約書や重要なデータの送受信などの分野でも使われるようになっています。
フィンテックでは、仮想通貨の技術が使われているところもあり、特に国際間のデータの送受信ではサーバーの負担や安全性を担保するために使われるようになっているものです。
それらは末端の人々が目にするものではありませんが、企業内や企業間で使われています。
一方で直接的な金融サービス以外にもデータを分析することでサービスを作り出すことも行われています。
例えばビッグデータと呼ばれる多くの人々の漠然とした行動から、人々が必要とするサービスを充実させたり、その分析に人工知能のAIを用いるといったことがあります。
現在では、金融サービスにおいてフィンテックは欠かせない存在となっており、多くの分野でさまざまなサービスが提供されるようになっているものです。